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遺言・相続 公開

家族で話し合った相続の内容、紙に残さないとどうなる?

「家族で話し合って、分け方はもう決まっている」。それなのに、名義変更の手続きで止まってしまうことがあります。原因の多くは、話し合いの内容が紙に残っていないことです。

先に結論から

家族で決めた相続の分け方は、「遺産分割協議書」という書面に残しておきましょう。書面がないと、土地や預金、車の名義変更が進みにくくなります。
「家族で決めたのだから、書かなくていい」。ご相談の中で、私がよく耳にする思い違いです。

CONTENTS

話し合いの内容は「遺産分割協議書」に残します

遺産分割協議書とは

亡くなった方の財産を、誰がどう受け継ぐか。相続人全員で話し合って決めることを「遺産分割協議」といいます。
その結果を書いた書面が「遺産分割協議書」です。いわば、家族の約束を形にした書類です。

全員の署名と実印が必要です

協議書には、相続人全員が名前を書き、実印(役所に登録した印鑑)を押します。印鑑証明書も一緒に求められることが多いです。
一人でも欠けると、手続きに使えません。代表の方だけが書いても足りないのです。

書面がないと、手続きが進みません

「話はついている」と口で伝えても、役所や銀行はそれを確かめる方法がありません。そのため、書面で示すことになります。

土地や家の名義変更(相続登記)

土地や家を受け継ぐ場合、法務局で名義を変える手続き(相続登記)が必要です。話し合いで不動産を受け継いだ場合は、話し合いがまとまってから3年以内に、その内容どおりの登記をする必要があります。このとき、協議書が大切な書類になります。

銀行の預貯金

話し合いがまとまるまでは、相続人の一人だけで預金を引き出すことはできません。
ただし、生活費やお葬式代のために、一部だけ先に受け取れる制度があります。口座ごとに決まった計算で出した額までは、他の相続人の同意がなくても払い戻しを受けられます。ただし、同じ金融機関からは150万円が上限です。
あくまで一部です。残りを受け取るには、話し合いの結果を書面で示すことになります。必要な書類は金融機関ごとに違いますので、事前に確認しておきましょう。

自動車の名義変更

普通自動車の名義変更でも、書面が求められます。国土交通省の運輸局の案内では、遺産分割協議書で申請する場合、相続人全員の実印が押されていることが必要とされています。
なお、軽自動車は窓口も書類も別です。軽自動車検査協会へお問い合わせください。

時間がたつほど、まとめるのが難しくなります

相続人が亡くなり、話し合う人が増える

書面にしないまま年月がたつと、相続人の中に亡くなる方が出てきます。するとその方の子どもたちも話し合いに加わることになります。顔を知らない親せきに実印をお願いする。そうなると、手続きはぐっと大変になります。

「言った・言わない」になりやすい

口約束は、人によって覚え方が違います。記憶も少しずつ薄れます。仲の良いご家族でも、書面がないばかりに行き違いが生まれることがあります。

土地や家の名義変更には期限があります

不動産を相続したことを知った日から3年以内に、相続登記を申請することが義務になりました(不動産登記法第76条の2第1項)。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料(行政上のペナルティ)の対象となります(同法第164条第1項)。

【注意ポイント】

義務化は令和6年4月1日から始まりました。それより前の相続も対象です。名義を変えていない不動産は、原則として令和9年3月31日までに相続登記をする必要があります。
また、期限までに話し合いがまとまらない場合に備えて、「相続人申告登記」という仕組みも用意されています。どれに当てはまるかは、個別の事情によります。

専門家に頼むと良いケース、頼まなくていいケース

ご家族で作れるケース

相続人が少なく、財産も預金が少しだけ、というような場合です。金融機関の書式や法務局の記載例を見ながら、ご家族で作ることもできます。

専門家に頼むと安心なケース

・相続人が多い、または遠くに住んでいる方がいる
・土地や家、車など、財産の種類が多い
・亡くなった方の戸籍を集めるのに手間がかかる
・何年も前の相続が、そのままになっている

こうした場合は、書類の書き漏れや集め直しが起きやすくなります。

行政書士と司法書士の役割の違い

行政書士は、遺産分割協議書の作成や、戸籍の収集、車の名義変更などをお手伝いします。
法務局への相続登記の申請は、司法書士の仕事です。必要に応じて、司法書士と連携して進めます。
なお、ご家族の間で意見が分かれ、争いになっている場合は、弁護士へのご相談が必要です。

お話し合いが済んだ今こそ、書面に残すいちばん良い時期です。
「うちの場合はどうなるの?」と思われたら、どうぞお気軽にご相談ください。一緒に確認しながら、進めてまいります。

行政書士石橋由子

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行政書士石橋由子

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