
「親が亡くなったけれど、何から手をつければいいのかわからない」「相続の手続きって難しそう」
——そんな不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。
相続は、誰にとっても人生でそう何度も経験することではありません。大切な人を亡くした悲しみの中で、慣れない手続きに追われるのはとても大変なことです。
この記事では、相続が発生してから行う手続きの流れを、専門用語をできるだけ使わずに、順を追ってご説明します。
■1. 相続が発生したらまずやること
ご家族が亡くなられたら、まずは以下のような手続きが必要です。
・死亡届の提出(7日以内)
・年金・健康保険の手続き
・公共料金や各種契約の名義変更・解約
これらは相続そのものとは別に、亡くなった直後に必要な事務手続きです。あわせて、遺言書があるかどうかを確認しておきましょう。自宅で保管されている場合もあれば、公証役場や法務局(自筆証書遺言書保管制度)に預けられている場合もあります。
※自筆証書遺言書(自宅で保管されていたもの)が見つかった場合は、家庭裁判所での「検認」という手続きが必要です。勝手に開封しないよう注意してください。
■2. 相続人を確定させる
次に行うのが、「誰が相続人なのか」を確定させる作業です。
意外に思われるかもしれませんが、これは非常に重要な工程です。亡くなった方(被相続人といいます)の出生から死亡までの戸籍を全て取り寄せて調べることで、把握していなかった相続人が判明することもあります。
・配偶者は常に相続人になります
・子どもがいれば子どもが相続人になります
・子どもがいない場合は、親や兄弟姉妹が相続人になることもあります
戸籍の収集は、本籍地が転々としている場合など、ご自身で集めるのに時間がかかることも少なくありません。この部分は行政書士がサポートできる業務のひとつです。
■3. 遺産(財産)を調べる
相続人が確定したら、次は「何が遺産としてあるのか」を調べます。
・預貯金、株式などの金融資産
・土地・建物などの不動産
・自動車
・借金やローンなどのマイナスの財産
プラスの財産だけでなく、マイナスの財産(負債)も相続の対象になります。財産よりも借金の方が多い場合は、「相続放棄」や「限定承認」という選択肢もあります。これらには期限があるので、後ほど改めてご説明します。
■4. 遺産分割協議をする
遺言書がない場合、相続人全員で「誰が何を相続するか」を話し合います。これを「遺産分割協議」といいます。
話し合いがまとまったら、その内容を「遺産分割協議書」という書面にまとめ、相続人全員が署名・実印を押します。この書類は、後の不動産の名義変更や預貯金の解約手続きで必要になる、とても重要な書類です。
相続人同士で話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所での調停などに進むこともあります。
■5. 相続税の申告(必要な場合)
相続税は、遺産の総額が一定の金額(基礎控除額)を超える場合にのみかかります。
基礎控除額の目安は、以下の計算式で求められます。
3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)
例えば相続人が配偶者と子ども2人の合計3人であれば、基礎控除額は3,000万円+600万円×3人=4,800万円となります。遺産の総額がこれを超えなければ、相続税はかかりません。
ただし、この計算は専門的な判断が必要なケースも多いため、心配な方は税理士に相談することをおすすめします。
■6. 名義変更などの手続き
遺産分割協議が終わったら、実際の名義変更を行います。
・不動産の名義変更(相続登記)
・預貯金の解約・払い戻し
・自動車の名義変更
・株式などの名義変更
特に不動産の相続登記は、2024年4月から義務化されました。正当な理由なく期限内に登記をしないと、過料の対象になることもありますので注意が必要です。
■7. 期限に注意しましょう
相続の手続きには、期限が決められているものがいくつかあります。
・相続放棄・限定承認 → 相続開始を知った日から3ヶ月以内
・相続税の申告・納付 → 相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内
・相続登記(不動産の名義変更) → 相続の開始及び所有権の取得を知った日から3年以内
「気づいたら期限が過ぎていた」ということがないよう、早めに全体の流れを把握しておくことが大切です。
■8. まとめ
相続の手続きは、戸籍の収集、財産調査、遺産分割協議、名義変更など、やることが多く、平日の日中に役所や金融機関を回る必要もあり、働きながら進めるのは負担が大きいものです。
「何から始めればいいかわからない」「平日は仕事で動けない」という方は、ぜひ一度、佐賀の行政書士石橋由子事務所までご相談ください。戸籍の収集代行や遺産分割協議書の作成など、皆様の状況に合わせてサポートいたします。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的判断や税務判断を行うものではありません。相続税など税務に関するご相談は税理士に、争いのある相続に関するご相談は弁護士にご相談ください。
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